借金の返済が追いつかなくなり、自己破産の相談先を探していたとき、私が最初に不安だったのは「弁護士費用を用意できないのに、相談してもよいのだろうか」ということでした。
当時の私は、毎月の返済日が近づくたびに気持ちが落ち込み、電話や郵便物にも過敏になっていました。自分で調べても、自己破産、任意整理、個人再生、法テラス、弁護士費用などの言葉が並ぶばかりで、何から確認すればよいのか分からなかった記憶があります。
この記事では、自己破産経験者の一例として、法テラスに相談する前に知っておきたかったことを整理します。あわせて、法テラスや裁判所など公的情報で確認できる一般的な制度の話も分けて紹介します。
なお、自己破産の申立てが適しているか、免責が認められるか、費用が実際にいくらになるかは、収入・資産・借金の内容・生活状況などによって異なります。この記事は個別の判断を示すものではありません。
法テラスを知って少し気持ちが落ち着いた体験談

私の場合、法テラスを調べるきっかけは「弁護士に相談したいけれど、まとまった費用がない」という悩みでした。自己破産という言葉自体にも抵抗があり、相談した時点で何かが決まってしまうのではないか、怒られるのではないか、という不安もありました。
しかし、実際に情報を整理していくと、法テラスは経済的に余裕がない人向けに、無料法律相談や弁護士・司法書士費用等の立替制度を案内している機関だと分かりました。相談したからといって、その場で自己破産を選ばなければならないわけではなく、まずは状況を説明して、どのような選択肢があり得るのかを確認する場として考えることができました。
私が相談前にやっておいてよかったと感じるのは、借入先、残高、毎月の返済額、収入、家賃、生活費を紙に書き出したことです。完璧な資料ではありませんでしたが、頭の中だけで説明しようとするより、かなり話しやすくなりました。
一方で、当時の私が反省しているのは、「費用はいくらで済むのか」だけを先に知ろうとしていたことです。実際には、法テラスの利用条件に当てはまるか、どの手続きが合う可能性があるか、裁判所でどのような手続きになるかなど、確認すべき点は複数ありました。
公的情報で確認できる法テラスの無料相談と立替制度

ここからは、法テラスの公式情報で確認できる一般情報です。2026年7月5日時点で、法テラスの案内では、無料法律相談は経済的に困っている方を対象としており、収入や資産が一定基準以下かどうかを確認する仕組みになっています。相談時間は1回30分、同一の問題につき3回まで無料で相談できると案内されています。
法テラスの無料法律相談では、借金、過払金、自己破産、任意整理などの債務整理に関する相談も対象として挙げられています。ただし、利用できるかどうかは収入・資産・家族人数・地域・家賃や住宅ローンなどの事情によって変わるため、自分が対象になるかは公式ページや窓口で確認する必要があります。
また、法テラスには弁護士・司法書士費用等の立替制度があります。公式案内では、弁護士や司法書士への相談だけでは解決せず、依頼が必要な場合に、費用等の立替えを行う制度として説明されています。
立替制度の利用には、主に次のような条件が案内されています。
- 収入や資産が一定基準以下であること
- 問題解決の見込みがないとはいえないこと
- 民事法律扶助の趣旨に適すること
自己破産事件では、裁判所の免責決定が出る見込みなども審査で確認されるとされています。ただし、これは「相談すれば免責が認められる」という意味ではありません。免責に関する判断は最終的に裁判所が行うもので、事情によって結論は異なります。
裁判所の公式ページでも、破産・再生手続は、借金などを負った人が経済的に苦しい状況になり、返済が事実上難しくなったときに、経済的に立ち直るための裁判手続であると説明されています。同時に、裁判所は中立的な立場で手続きを進めるため、債務整理や倒産手続の申立てに関する相談には応じられないとも案内されています。
そのため、制度の概要は公的情報で確認しつつ、自分の状況に当てはめた判断は、弁護士、司法書士、法テラスなどに相談して確認する流れになります。
法テラスの費用は目安として確認し、断定しない

費用については、とくに不安になりやすい部分です。私も当時は「相談したら高額な費用を請求されるのではないか」「分割で払えるのか」「途中で払えなくなったらどうなるのか」と考えていました。
法テラス公式ページの「自己破産 費用の目安」では、自己破産事件の依頼時に必要な費用の目安として、債権者数ごとの着手金・実費・合計額が掲載されています。2026年7月5日時点で確認できる目安は、次のように案内されています。
| 債権者数 | 着手金の目安 | 実費の目安 | 合計の目安 |
|---|---|---|---|
| 1~10社 | 132,000円 | 23,000円 | 155,000円 |
| 11~20社 | 154,000円 | 23,000円 | 177,000円 |
| 21社以上 | 187,000円 | 23,000円 | 210,000円 |
ただし、法テラスの公式ページでも、実際の費用は事件の内容などにより審査で決まるため、掲載額どおりになるとは限らないと案内されています。過払金を回収できた場合には報酬金が発生することがあるともされています。
ここは、古い記事から書き換えるうえで特に注意したい点です。以前の情報では、着手金や実費の金額が現在と違っている場合があります。また、「一般の弁護士費用の何分の一で済む」といった表現も、比較対象や地域、事件内容によって変わるため、断定的に書くと誤解につながる可能性があります。
私自身の体験としても、費用の数字だけを見て判断するより、「自分が法テラスの条件に当てはまる可能性があるのか」「返済方法はどうなるのか」「審査にどんな書類が必要なのか」を確認するほうが現実的でした。費用の目安は、相談前の心づもりとして見る程度にして、実際の金額は法テラスや依頼先に確認するのがよいと思います。
相談前に準備したものと確認しておきたいこと

法テラスの立替制度を利用する場合、審査に必要な書類があります。公式ページでは、本人や同居家族の人数を確認する資料、収入を確認する資料、資産を確認する資料、事件内容を確認する資料、返済に使う口座を確認する資料などが挙げられています。
たとえば、住民票、給与明細、源泉徴収票、課税証明書、非課税証明書、年金関係の通知、生活保護受給証明書、資力申告書、債務一覧表などが、状況に応じて必要になるとされています。無職、自営業、年金受給、生活保護受給など、生活状況によって用意する資料は変わります。
私の場合、最初からすべてをそろえようとして疲れてしまいました。そこで、まずは次のような簡単なメモを作るところから始めました。
- 借入先の名前
- おおよその残高
- 毎月の返済額
- 滞納しているものがあるか
- 勤務先や収入の状況
- 家賃、光熱費、通信費、食費などの生活費
- 家族構成や同居状況
- 預貯金、不動産、自動車、保険などの資産の有無
正確な金額が分からないものは、「分かる範囲」で書き出しました。後から資料で確認する前提でも、最初の相談では、全体像を伝える材料になります。
相談時には、次のような点を聞いておくと、後で混乱しにくいと感じました。
- 自分の状況で、自己破産以外の選択肢も考えられるのか
- 法テラスの無料相談や立替制度の対象になる可能性があるのか
- 審査に必要な書類は何か
- 費用の目安と、返済方法はどのように確認すればよいか
- 裁判所に提出する資料として、今から整理しておくものは何か
- 家族、勤務先、保証人、税金、養育費など、個別に確認すべき事情はあるか
自己破産を考えるほど追い込まれていると、相談すること自体が重く感じます。私も、最初は「こんな状態で相談してよいのか」と迷いました。ただ、借金の問題は時間が経つほど書類や連絡が増え、気持ちの負担も大きくなりがちです。結論を急いで決める必要はありませんが、早めに公的な情報と専門家の説明に触れることで、少なくとも何を確認すればよいかは見えやすくなります。
なお、自己破産と同時に、離婚、養育費、相続、税金、保証人、住宅、自動車などの問題が絡むこともあります。こうした事情がある場合は、一般的な記事だけで判断せず、相談時に必ず伝えてください。どの手続きが合うか、どの順番で進めるべきかは、個別事情によって変わります。
公式情報の確認先
上記は2026年7月5日時点で確認した情報です。制度内容、費用の目安、必要書類、窓口の運用は変更されることがあります。相談前には、法テラスや裁判所などの公式情報で最新の内容を確認してください。
免責注記:この記事は、自己破産経験者による体験談と、公的情報で確認できる一般情報を整理したものです。法律上の個別判断ではありません。実際に自己破産の申立てをするか、免責が認められる見込みがあるか、法テラスの制度を利用できるか、費用がいくらになるかは、個別事情によって異なります。具体的な判断は、弁護士、司法書士、法テラスなどへ相談してください。