法テラスの民事法律扶助制度を利用して債務整理や自己破産を検討する場合、弁護士との面談が行われることがあります。
初めて法律事務所を訪れるときは、「どのようなことを聞かれるのだろう」「借金についてうまく説明できるだろうか」「何を持参すればよいのだろう」と不安になりやすいものです。
私も法テラスを通じて弁護士と面談した際には、家族構成、収入と支出、借入先、財産などについて確認を受けました。ただし、この記事で紹介する内容は、あくまでも私が相談した当時の体験です。現在の制度やほかの地域、担当する弁護士、相談内容によって面談の進み方や必要書類は異なる可能性があります。
この記事では、私が経験した初回面談の様子と、相談前に準備しておきたい情報を分けて整理します。個別の事情については自己判断せず、担当する弁護士や法テラスに確認してください。
法テラスを通じて弁護士と面談した私の体験談

ここからは、私が法テラスを利用して自己破産について相談したときの体験を紹介します。すべての利用者が同じ流れになるわけではありません。
法テラスの無料法律相談や弁護士費用等の立替制度には、収入や資産などに関する利用条件があります。また、相談を受けた後に事前に弁護士への依頼や自己破産の申立てが決まるわけではなく、相談内容や審査結果などを踏まえて個別に進められます。
弁護士との面談日時を決めたときの流れ
私の場合は、法テラスに相談して必要な手続きを進めた後、弁護士と面談することになりました。面談場所は弁護士の事務所で、事前に日時の連絡を受けました。
法テラスの相談は、法テラスの地方事務所だけでなく、法テラスと契約している弁護士や司法書士の事務所などで受けられる場合があります。地域や相談窓口によって予約方法や面談場所が異なるため、案内された内容を確認することが大切です。
現在の無料法律相談の利用方法については、法テラス公式サイトの無料法律相談のご利用の流れで確認できます。無料法律相談は原則として事前予約が必要と案内されています。
初回面談で家族や家計について聞かれた体験
初回面談では、借金の金額だけを確認されたわけではありませんでした。私の場合は、家族構成、仕事、収入、毎月の生活費、借入先、借金をした経緯などについて聞かれました。
うまく説明しようとして話をまとめ過ぎるよりも、分かる範囲で事実を伝えることが大切だと感じました。記憶が曖昧な部分については、推測で答えず、「現在は正確に分からないため確認します」と伝えてもよいでしょう。
家計の状況を確認する目的や、どこまで詳しく説明する必要があるかは、相談する手続きや担当者によって異なります。家族に内緒で相談している場合や、家計資料を用意しにくい事情がある場合も、書類を省略できると自己判断せず、まず担当者へ事情を伝えることが重要です。
借入先や財産について確認された体験
私の面談では、消費者金融やクレジットカード会社などの借入先についても確認されました。借入先の名称、借入額、契約した時期、毎月の返済額など、分かる情報を整理しておくと説明しやすくなります。
また、預貯金、保険、自動車、不動産などの財産についても確認を受ける場合があります。私の場合は、預金通帳などの資料を準備するよう案内されました。
自己破産の申立てでは、債権者一覧表、家計収支表、資産に関する資料などが必要になることがあります。裁判所が公開している書式や必要書類は地域によって異なる場合があるため、実際に提出する書類は担当する弁護士や申立先の裁判所へ確認してください。裁判所が公開している本人申立て用の資料例にも、債権者一覧表、家計収支表、資産目録などが掲載されています。
初回面談で確認される可能性がある内容

弁護士との初回面談は、相談者の状況を把握し、どのような対応を検討できるかを整理する機会です。ただし、初回面談だけで手続きや結果が確定するとは限りません。
借金の状況、収入、財産、生活状況などを確認したうえで、任意整理、個人再生、自己破産などの選択肢について説明を受けることがあります。どの方法が適切かは個別の事情によって異なるため、インターネット上の一般情報だけで判断しないことが大切です。
借金の総額と債権者の情報
借入先を正確に整理するため、次のような情報を確認される可能性があります。
- 消費者金融や銀行などの借入先
- クレジットカード会社
- 住宅ローンや自動車ローン
- 携帯端末などの分割払い
- 個人や勤務先からの借入れ
- 税金や社会保険料などの未払い
- 保証人になっている契約
一部の債権者を意図的に伝えなかったり、金額を少なく申告したりすると、その後の確認や手続きに影響する可能性があります。正確な金額が分からない場合でも、借入れの存在自体は担当する弁護士へ伝え、明細や信用情報などによる確認方法を相談してください。
当サイト内の関連記事では、債権者を整理するときの考え方を紹介しています。
収入と毎月の支出
家計の収支は、今後の返済が可能かどうかや、生活をどのように立て直していくかを検討するための情報になります。
給与、年金、事業収入、家族から受け取っている生活費などの収入に加え、家賃、食費、光熱費、通信費、保険料、医療費、教育費などを確認される場合があります。
支出を少なく見せたり、反対に大まかな金額を記入したりするのではなく、通帳、給与明細、請求書、家計簿などを見ながら、できるだけ実際の状況に近づけることが大切です。
家計の整理については、次の記事も参考にしてください。
借金が増えた経緯と現在の生活状況
面談では、借金が増えた理由についても聞かれることがあります。生活費の不足、失業、病気、事業上の負担、家族の問題、買い物、ギャンブルなど、事情は人によって異なります。
話しにくい内容が含まれていても、事実と異なる説明をすると、後で提出資料との食い違いが生じる可能性があります。責められるのではないかと不安な場合は、その気持ちも含めて弁護士へ伝えるとよいでしょう。
ただし、借金の原因によって自己破産が事前に認められない、または事前に認められるとは一概にいえません。免責に関する判断は裁判所が個別の事情や資料を踏まえて行うため、担当する弁護士から説明を受けてください。
弁護士との面談前に準備しておきたいもの

面談前にすべての資料を完璧にそろえられなくても、相談できないとは限りません。資料が不足しているときは、そのままにせず、何が用意できていないのかを担当者へ伝えることが大切です。
必要書類は相談内容や手続きの段階によって異なります。以下は一般的な準備例であり、実際には法テラスや担当する弁護士から指定されたものを優先してください。
借入先をまとめた一覧
借入先の資料が手元にある場合は、契約書、利用明細、督促状、請求書、メールなどを一か所にまとめておくと確認しやすくなります。
一覧には、分かる範囲で次の情報を記録します。
- 債権者の名称
- 借入れを始めた時期
- 現在の残高
- 毎月の返済額
- 保証人や担保の有無
- 裁判所や債権者から届いた書類の有無
請求を受けている会社名と、実際に契約した会社名が異なる場合もあります。判断できない資料は捨てずに持参し、弁護士へ確認してもらうと、判断しやすくなります。
収入と財産を確認できる資料
収入や資産を確認する資料として、次のような書類を案内されることがあります。
- 給与明細や源泉徴収票
- 年金や各種手当の通知書
- 確定申告書
- 預金通帳や取引明細
- 保険証券や解約返戻金に関する資料
- 自動車や不動産に関する資料
- 家賃や住宅ローンを確認できる資料
法テラスの立替制度の審査では、本人や同居家族の人数、収入、資産、事件内容などを確認する資料が必要になる場合があります。必要書類の詳細は、法テラス公式サイトの審査に必要な書類についてで確認できます。
裁判所や債権者から届いた書類
督促状、訴状、支払督促、差押えに関する通知などが届いている場合は、封筒を含めて面談へ持参したほうがよいでしょう。
書類には対応期限が記載されていることがあります。期限が迫っている場合は、通常の面談日まで待つのではなく、予約時や連絡時に書類の名称と期限を伝えてください。
届いた書類を見て不安になっても、内容を自己判断して放置したり、相手方へ不正確な回答をしたりせず、早めに専門家へ確認することが重要です。
クレジットカードや返済に関して注意したいこと

私の場合は、弁護士へ依頼する段階で、クレジットカードに関する確認や提出の案内を受けました。しかし、カードをいつから使ってはいけないのか、毎月の返済をいつ止めるのかといった対応は、相談者が自分で一律に判断できるものではありません。
正式な依頼関係が成立した時期、債権者への通知状況、口座引き落とし、公共料金の支払方法などによって、必要な対応が異なる可能性があります。
面談を受けただけで返済が止まるとは限らない
元記事には、弁護士との面談後に債務の返済が止まるような表現がありました。しかし、法律相談を受けただけで、すべての返済義務や請求が自動的に停止するとは限りません。
一般に、弁護士が正式に依頼を受け、債権者へ受任通知を送付すると、貸金業者から本人への直接の取立てが制限される場合があります。ただし、通知の時期、対象となる債権者、口座引き落とし、訴訟や差押えなどの状況によって対応は異なります。
面談前後の返済については、「今日から支払わなくてよい」と自己判断せず、事前に担当する弁護士から具体的な指示を受けてください。
クレジットカードを自己判断で使い続けない
債務整理や自己破産を検討している状況で、返済できる見込みがないままクレジットカードを利用すると、その後の説明が必要になる可能性があります。
一方で、公共料金や携帯電話料金などをカード払いにしている場合は、支払方法の変更も必要になることがあります。どの契約をどの時点で変更するかについても、担当する弁護士へ確認してください。
カードを処分したり返却したりするよう案内された場合は、その指示に従います。家族カードやETCカードなどがある場合も、使用状況を隠さず伝えることが大切です。
弁護士との初回面談で確認しておきたい質問

面談では、自分の状況を説明するだけでなく、今後の進め方について質問することも大切です。緊張して質問を忘れやすいため、聞きたいことを事前にメモしておくと役立ちます。
今後どのような資料が必要になるかを確認する
必要書類については、次のように具体的に質問すると整理しやすくなります。
- 次回までに提出する書類は何か
- 通帳は何年分または何か月分必要か
- 家族名義の資料も必要か
- 紛失した書類はどのように再取得するか
- 提出は原本かコピーか
- データやオンライン明細でもよいか
裁判所へ提出する書類や対象期間は地域・事案によって異なる場合があります。インターネット上で見つけた別の裁判所の書式を、そのまま使用できるとは限りません。
返済や銀行口座の扱いを確認する
給与振込口座と借入先の銀行が同じ場合や、借金の返済を口座振替にしている場合は、口座の扱いについて早めに相談したほうがよいでしょう。
次のような点を担当する弁護士へ確認します。
- 現在の返済をどのように扱うか
- 給与や年金の振込口座を変更する必要があるか
- 公共料金などの引き落としを変更する必要があるか
- 債権者から連絡が来た場合にどう対応するか
- 裁判所から書類が届いた場合の連絡方法
銀行口座が事前に凍結される、預金が事前にすべて失われるなどと一律に判断することはできません。取引内容や債務の有無によって状況が異なるため、個別に確認してください。
連絡方法と次回面談の予定を確認する
面談の最後には、次回までに行うこと、提出期限、連絡方法などを確認しておくと、次の準備を進めやすくなります。
私の場合は、次回の面談に向けて追加資料を準備しました。ただし、次回面談までの期間は案件や資料の準備状況などによって変わるため、「事前に1か月後になる」とは限りません。
分からないことが出てきた場合の連絡先や、電話・メールを利用できる時間帯も確認しておくと、後から質問しやすくなります。
次回の面談に関する体験は、以下の記事で紹介しています。
法テラスの制度を利用する前に公的情報を確認する

法テラスでは、経済的に困っている方を対象に、一定の条件のもとで無料法律相談や弁護士・司法書士費用等の立替制度を実施しています。
立替制度を利用するには、収入や資産が一定基準以下であることなどの条件があります。収入・資産基準は、家族人数、居住地域、家賃や住宅ローンの負担などによって異なる場合があります。
また、制度の利用が認められた場合でも、弁護士費用等が無条件で無料になる制度とは限りません。立替金は原則として法テラスへ返済する仕組みで、生活保護の受給状況などによって償還猶予や免除の対象となる可能性がありますが、個別の審査が必要です。
公式サイトの情報も更新される可能性があります。実際に相談するときは最新情報を確認し、不明点を法テラス、担当する弁護士、申立先の裁判所などへ問い合わせてください。
初回面談では分からないことを正直に伝えることが大切

法テラスを利用して弁護士と初めて面談するときは、借金や生活状況について詳しく話すことに抵抗を感じるかもしれません。
私も面談前は不安でしたが、資料を見ながら一つずつ説明することで、現在の状況を整理できました。初回からすべてを完璧に説明する必要はありませんが、分からないことを推測で埋めたり、不都合な情報を隠したりしないことが大切だと感じています。
面談前には、借入先、収入、支出、財産、届いている書類などを整理し、質問したいことをメモしておくと相談を進めやすくなります。
ただし、返済を止める時期、クレジットカードや銀行口座の扱い、自己破産を選択するかどうかなどは、インターネット上の体験談だけで判断できません。担当する弁護士へ現在の事情を伝え、具体的な指示を確認してください。
免責事項
この記事は、筆者が法テラスを通じて弁護士へ相談した当時の体験と、公開されている一般的な情報を整理したものです。特定の手続きの利用、自己破産の可否、免責の結果、費用、必要期間、返済停止の時期などを保証するものではありません。
法制度、法テラスの利用条件、裁判所の運用、必要書類は変更されることがあり、地域や個別の事情によっても異なります。法律上の判断が必要な場合は、法テラス、弁護士、司法書士などの専門家へ相談し、公的機関の最新情報を確認してください。記事を公開する前には、リンク切れ、制度内容、表現の正確性について人の目でも最終確認を行ってください。